
『日本語は難しい』
2026.10.14
小3の国語では、夏期講習会で「主語・述語」を学習しました。小4では一学期に扱いましたが、二学期にも「文節」とからめて学習をしています。
主語と述語の見分け方は、「まず述語を見つけて、それに合う主語を見つける」というのが基本です。倒置文や省略文以外の標準的な文では主語の方が前にありますので、主語から探そうとする生徒もいるのですが、「まずは述語から考えよう」という指導をしています。また、主語だと思う言葉(文節)が見つかったら、「をにのて」がついていないかをチェックさせるようにしています。「『をにのて』は主語にはつかない。『をにのて』がついていたら主語ではないよ」……そんなふうに教えています。
日本語が「難しい言語」と言われる要素の一つとして、「助詞・助動詞」という付属語の存在があります。英語と比較してお考えいただくとわかるのではないでしょうか。よく「『てにをは』を大事にしましょう」ということが言われますが、まさにこの「てにをは」が助詞です。なお、「てにをは」は広い意味では「言葉遣い」や「文のつくり方」を意味する表現となっているようです。
国語力が高い生徒は共通して、助詞に対する意識が高いと思っています。音読をさせてみるとわかるのですが、小3・小4の時点では、助詞の読み間違いや読み飛ばしが目立つ生徒がいます。そういう生徒はたいてい国語を苦手としていることが多いものです。日本語の場合、助詞を一字間違えるだけで文意が大きく変わってしまいます。そういったところに、自然と意識が向いているかどうかで、読解力そのものにも差が出てくるのでしょう。
また、記述問題の解答をきちんと「まとめる」ためにも、助詞をしっかりと使いこなすことが大切になってきます。小4までの記述解答の場合、解答に必要な「要素」が入っていれば、マルをもらえることも多いのですが、小5以上になってくれば「要素」だけではなく、「文としてきちんとまとまっているか」という点も心掛ける必要があります。そのためには、助詞を理解し、適切なものを正しく使うことが必要です。
助詞はその「使い方」だけではなく、文脈から意味を理解することも必要になってきます。たとえば「の」は、非常に便利で使いやすい助詞ですが、その反面、しっかり考えないと意味があいまいになりやすい助詞でもあります。「先生の絵」という表現で考えてみてください。その意味するところは、大きく三つ考えることができるはずです。「先生(の姿)が描かれている絵」「先生が所有している絵」「先生が描いた絵」の三つです。この点に関しては、文章を読解するときはそれほど意識する必要はありません。意味があいまいにならないように書かれていることがほとんどですから、意識して考えなくても自然と理解ができるはずです。一方で、自分が文を書くとき、解答をつくるときには、あいまいな記述にならないように注意する必要があります。
また、「へ」という助詞についても考えてみましょう。「成績への悩み」という表現をきいたことがあります。「成績に関する悩み」という意味だと推測されるのですが、「へ」という助詞が入っていると「悩み」そのものが「『成績』に向けられた」もののように表現されてしまうわけです。「へ」をとって「成績の悩み」とすれば問題はないのですが……。「先生への相談」「母への手紙」という表現と比較していただくと、わかりやすいかもしれません。「相談」「手紙」が向けられた対象が、それぞれ「先生」「母」となるので、これらの表現に違和感はありません。しかし「成績への悩み」という表現の場合、「悩み」が向けられる対象が「成績」ではないので、少し違和感を持つわけです。
助詞ではありませんが、似たような表現では「○○に対する」と「○○に関する」というものがあります。よく同じような意味で使われているのですが、厳密に言えば、やはり使い方は違うものです。「対する」は助詞でいえば「への」に近く、「関する」は「の」に近くなるでしょうか。
少し細かい話になってしまいましたが、国語力・読解力・作文力を伸ばしていくときに、(小学生にとって)難しい語彙を多く身につけることはそれほど重要ではありません。それよりも、助詞をはじめとした「表現」を正しく理解し、使いこなせるようにすることが効果的だと考えています。
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