四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『楽しく受験勉強をする』

2023.05.19

先日、早稲田アカデミーに今年の4月から勤務している新入社員と話をする機会がありました。「いまの仕事は楽しいですか?」という質問に、「はい、とても楽しいです」と答えてくれたので、少しイジワルをして、さらに「大学生活と比べて、どちらが楽しい?」と聞いてみました。返ってきたのは、「どちらも楽しいですけれど、楽しさの質が違うように思います。いまの方が充実しています」という答えでした。


「楽しい」という言葉は「幅広い意味」を持っています。遊園地やテーマパークで「楽しい」と感じない人はまずいないでしょう。ただ、そのときの「楽しい」は「仕事が楽しい」という表現と、その「質」が違うものだと思います。前者の「楽しい」は、映画を見ているとき、マンガを読んでいるとき、ゲームをしているとき、などと近い感覚です。一方で後者の「楽しい」は、仕事だけではなく勉強などにもつながる「楽しい」だと思います。場合によってはスポーツや音楽などの習い事でも、その「楽しさ」は生まれることがあるように思います。この二つの「楽しい」の違いを深くつきつめていくと、なかなか「深い」問題につながるように思います。明確に分けられない部分があると思いますし、どちらにも当てはまらないケースもありそうです。


同じような言葉として「面白い」がありますが、こちらは「楽しい」という言葉よりは、もう少し区別がしやすいものではないでしょうか。英語で「funny」と「interesting」の違いと言えばおわかりいただけるでしょう。「笑ってしまうような面白さ=funny」「興味深い=interesting」という分類となります。


「楽しい」も英語で分類してみると、いくつかの単語になるようです。品詞の区別をせずに列記すると「fun」「enjoyable」「pleasant」といったものが代表的なもののようです。遊園地の「楽しさ」は「fun」で間違いないと思うのですが、仕事や勉強を楽しいと感じるときにも「fun」が使われる場合があるようです。


横道にそれてしまいましたが、今回考えたいのは「仕事や勉強が楽しい」と感じるための要素です。遊園地やゲームや映画の「直接的な楽しさ」はその瞬間の感情に引きずられる要素が強いものです。しかし、仕事や勉強の楽しさは、その瞬間が楽しいと感じられるかどうかだけではないはずです。ときには、その瞬間は「つらい」と感じていても、全般として「楽しい」と感じる場面もあるのではないでしょうか。たとえば、サッカーや野球の練習を「楽しい」と表現することは多いはずです。しかし、ランニングや基礎トレーニングをやっている瞬間は「楽しい」よりも「つらい」という感情が芽生えることもあるでしょう。


仕事や勉強の「楽しい」につながる感情を考えてみます。「充実感」「達成感」「満足感」「自己肯定感」といったところでしょうか。そして、その背景にあるのが「目標」「計画」「正しい評価」「成長の実感」というもののように思います。


私は生徒たちが「中学受験に向けた生活を楽しんでくれる」ということを考えて指導をしています。「目標」を持って、「計画的」に学習をし、その学習によって自分が「成長しているという実感」があれば、そこには「楽しい」という気持ちが生まれてくると思うのです。さらにその努力を、先生や保護者の皆様が「正しく評価」をしてくれれば、その楽しさはさらに増幅されるのではないでしょうか。

同じテーマの最新記事

2023.05.19 『楽しく受験勉強をする』
2023.05.17 『屋根より高い……』
2023.05.12 『心の扉を開く②』
2023.05.10 『心の扉を開く①』
2023.04.28 『連休には感動体験の共有を』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー