四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『全国統一小学生テストを終えて』

2023.06.07

先日の日曜日(6月4日)に全国統一小学生テストが実施されました。
週末の土日には、台風2号が梅雨前線を刺激したことによって発生した線状降水帯が、全国的に大雨を降らせていたこともあり、天候が心配されていたのですが、幸いよいお天気の中での実施となりました。ただ、小学校によっては土曜日に予定されていた「運動会」が、日曜日に振替実施となり、その結果「全国統一小学生テスト」は受けられなかったというお子様もいらしたようです。余談ですが、私が担当している中学3年生から、金曜日に帰ってくる予定だった京都・奈良の「修学旅行」から帰ってくることができず、もう一晩京都に泊まることになり、翌日の土曜日の夜になんとか帰ってくることができたという話を聞きました。


さて、ご受験いただいたお子様の感想はいかがでしたでしょうか。問題を作成している四谷大塚では平均点の設定を、年長では80%、小1では70%、小2・小3では60%、小4~小6では55%程度としているそうですが、私の個人的な印象としては、それよりも若干上下する学年や科目もあるように思います。


全国統一小学生テストでは毎回のことですが、各学年の算数で最後にある問題は比較的難度が高く設定されていたようです。どの学年も算数の問題量はかなり多いですし、ルールを読み取って理解するのに時間がかかる問題もありますから、時間が足りなかった方も多かったと思います。


小1の算数では、最後の問題(大問7)の難度はそれほど高くありませんでした。立方体を積み上げる問題なので、見たことがあるお子様もある程度いたようですし、図からイメージもつかみやすかったのではないでしょうか。ただ、大問6の「すごろく」問題でルールの読み取りに時間がかかってしまうと、大問7までは行きつかなかったかもしれません。小2の算数は、全体的に難度が高かったように感じています。大問6は小1でも出題されている立方体の積み上げ問題ですが、「透明なはこ(立方体)」があることで、かなり難しくなっています。さらに大問7のカードで数式を作る問題は(1)から「複数の場合」を答えさせるものになっていますし、(3)にいたっては「4通りの式」を答えさせる問題ですので、正答率はかなり下がるのではないかとみております。小3でも最後の2問は「カード」と「立方体の積み上げ」になっていました。もちろん易しい問題ではないのですが、考えさせるタイプの良問だったと思っています。


国語の文章は、それぞれの学年(小1~小3)の生徒にとっては比較的読みやすいものだったと思います。小1では「うさぎのプレゼント」とういう文章が出題されていますが、その続きを読みたくなったお子様もいらしたようです。設問自体は文中に書かれていることを正確に読み取れば答えられるものでしたので、難度は高くなかったはずです。小2の出題文も比較的読みやすかったと思いますが、主人公がうそをついた心情などは、小2としては少し高度でした。設問も考えさせる問題が多く、難度は高かったと感じています。小3の出題文は根底に「多様性」を許容するという考え方が読み取れる、よい文章でした。設問は登場人物の心情をとらえさせるものが多く、やはり易しいとは言えないですが、良い問題だったと思います。


テスト結果については、6月15日(木)をめどに成績帳票や成績分析資料が、四谷大塚から早稲田アカデミー各校舎に届く予定です。各校舎から返却されるはずですので、楽しみにお待ちいただければと思います。


成績が返却された際にご覧いただきたいのは、得点や偏差値だけではなく「正答率」の部分です。各学年で(その学齢の生徒にとっては)かなり難しい問題も出題されています。そういった問題では「正答率」はかなり低くなるはずです。今回の小2算数の最終問題は、私の個人的な予想では1%未満になるのではないかと思っています。お子様がどんな問題で〇になり、どんな問題で×がついているのかを、正答率と合わせてご覧いただくことで、今後学習を進めていく方向性も見えてくるはずです。


今回、早稲田アカデミーの各校舎で実施した「小1~小3対象保護者会」では、「令和の受験事情」と題して、大学入試の状況から中学入試までお話しさせていただきました。「大学入試はまだ早いのでは……」とお感じになられた方もいらっしゃるかもしれませんが、私は「大学入試につながる中学入試は数年後にやってきます。そして、中学入試をするかどうかの選択は小学校低学年のうちにしなければなりません。ですから、いま大きく変わりつつある大学入試、さらに大学での学びについて、今日はお話しさせていただきます」とお伝えしました。東京工業大学と東京医科歯科大学の統合による「東京科学大学」が2024年度中に発足するというニュースをご存じの方もいらっしゃると思いますが、日本の未来へ向けた大学の変化もさらに加速していくと思っています。「大学に入学をする」という点だけで考えれば、ハードルは下がっているかもしれませんが、大学で何をどのように学び、未来につなげるかという視点で大学を選ぼうと考えた場合、実はハードルは上がっているはずなのです。


そして、中学受験のための進学塾に通う目的の一つとして、「大学進学」につながる「中学校合格」であるのは間違いありません。しかし、「中学校への合格を手に入れる」だけではなく、そこまでの過程で学んだものが「豊かな未来、幸せな人生」につながるものであり、目標に向かって努力した経験は「これからのステージで活躍するチカラ」となるものだと考えています。そういった視点から、今回の保護者会ではお話しさせていただきました。

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