『楽・高・生……』

2023.12.06

１２月に入ると、「今年の１０大ニュース」といった話題がテレビなどでよく取り上げられます。先日も「流行語大賞」が発表され、３年連続で野球界からの言葉が選ばれたというニュースを見ました。そんな年末の話題の一つに「今年の漢字」があります。

私もよく校舎の職員や生徒たちと「今年の漢字」を予想することがあります。年間を象徴する出来事を考えて、そこから漢字を考えてみるのですが、今回は私の予想を含めて、書かせていただきます。過去の「今年の漢字」を調べてみたところ。

２０２２年「戦」、２０２１年「金」、２０２０年「密」、２０１９年「令」、２０１８年「災」、２０１７年「北」、２０１６年「金」……となっています。

このうち、複数年で選ばれている漢字が「災」「金」「戦」の三つでした。「災」は台風被害が多く、新潟中越地震も発生した２００４年と、やはり台風被害・豪雨災害・地震が相次いだ２０１８年に２回選ばれています。「金」は過去に４回選ばれているのですが、すべてオリンピックの実施年で、シドニーオリンピックの２０００年、ロンドンオリンピックの２０１２年、リオオリンピックの２０１６年に続き、２０２１年はもちろん東京オリンピックの行われた年です。４回というのは、過去最多ということになるようです。昨年の「戦」はやはり「ロシアのウクライナ侵攻」からの連想なのでしょう。その前に「戦」が選ばれたのは、アメリカの同時多発テロが起こった２００１年でした。

さて、「今年の漢字」は何が選ばれるでしょうか。皆様でしたらどの一文字を選びますか。「今年の漢字」は、実は一般の方からの応募で選ばれています。個人での応募、学校などの団体での応募など、さまざまな応募方法があるようです。調べてみたところ、今年の個人応募は１２月６日までで締め切られ、例年通り１２月１２日の「漢字の日」に、京都の清水寺で発表されるようです。ちなみに昨年の「戦」は、２２万を超える応募数の中で、１万票以上の得票数で選ばれているとのことでした。

先日、テレビで「小学生が選ぶ今年の漢字」という特集をやっていました。そのときに選ばれていたのは「楽」という漢字でした。その字を選んだ小学生にインタビューしていたのですが、「今年も楽しいことが多かったから」「新型コロナウイルスがなくなって、夏休みにいろいろ行けて楽しかったから」「マスクを外すことができて楽（ラク）になったから」というような話をしていました。私は「新型コロナウイルスはなくなったわけではないんだけどな」とも思いながら、小学生の笑顔をほほえましく見ていました。

たしかに「楽」が選ばれる可能性もあるとは思うのですが、私も個人的に予想してみました。毎年、私の予測は考えすぎるきらいがあるので、当たる可能性は低いのですが……。まず考えたのが「高」です。やはり「物価高」が一年を通して話題となっていましたので、そこからの発想なのですが、もう一つ今夏の「記録的な高温」も考えての選択です。次に「生」という漢字。少しこじつけもあるのですが、ウクライナとロシアの戦争、さらには記憶に新しいパレスチナ情勢の中で、多くの命が失われる中でやはり「生命の大切さ」というところからが一つの理由です。また年初には「２０２２年の出生者数が初めて８０万人を割り込んだ」というニュースもありましたし。そしてなんといっても今年の最大の話題は「ChatGPT」に代表される「生成ＡＩ」ではないでしょうか……。ちなみに武蔵小杉校の職員は「税」と言っています。

さて、保護者会やセミナーなどで、年末に今年一年間をお子様と振り返ってみることをおすすめすることがあります。今年の反省をすることで、新しい年にもつながるはずですし、一年間を振り返ってみるとお子様の成長に気が付くこともあるのではないでしょうか。お子様の成長は、毎日見ているとなかなか気が付かないものですが、一年前と比較をすると見えてくるものがあるはずです。「自分で朝起きられるようになった」「宿題に自分から取り組むようになった」「気が付いたらゲームをやっている時間が短くなった」など、さまざまなことに気が付くはずです。一年間の成長に気が付けば、ここからの一年間での成長にも期待できるようになることでしょう。そんな中で、ご家族やご家庭の「今年の漢字」を考えていただくのも面白いと思います。単にどんな出来事があったかを思い出すだけではなく、「今年一番うれしかったこと」「今年一番がんばったこと」「今年やれなかったこと」などをご一緒に考えていただく中で、来年につながる「一文字」を選ぶことができればお子様の成長にもつながるのではないでしょうか。

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