四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「制御性T細胞」と「金属有機構造体」』

2025.10.10

毎年、この時期の記事ではノーベル賞について書かせていただいています。


2024年は、「日本原水爆被害者団体協議会」がノーベル平和賞を受賞し、2021年の眞鍋淑郎博士以来の日本人(日本団体)の受賞という話題に全国が沸きました。中学入試問題でも「時事問題」として取り上げた学校が多くありました。


今年のノーベル賞各賞の発表日程は下記のようになっています。全部で六つの賞があり、毎年月曜日から以下の順番で発表され、翌週月曜日の「経済学賞」で終了となるのが通例です。
10月6日(月)生理学・医学賞
10月7日(火)物理学賞
10月8日(水)化学賞
10月9日(木)文学賞
10月10日(金)平和賞
10月13日(月祝)経済学賞


既に皆様もご存じの通り、「生理学・医学賞」では大阪大学の坂口志文特任教授の、さらに「化学賞」では京都大学の北川進特別教授の受賞が発表されました。今回の記事タイトルにある「制御性T細胞」は坂口先生の研究テーマ、「金属有機構造体」は北川先生の研究テーマです。私は専門外なので詳しくはわからないのですが……。


現在はそれぞれ別の大学に所属しているお二人ですが、大学生としては同じ時期に京都大学で学ばれた、というニュースも拝見いたしました。過去に受賞された方の経歴を拝見しても、やはり京都大学出身の方が多く、「ノーベル賞に強い京都大学」ともいわれているようです。


この原稿を書いているのは、10月9日(木)の夕方です。まだこの時点では「文学賞」「平和賞」「経済学賞」は発表されていません。インターネットなどでいろいろと見てみると、「文学賞」の候補には日本人も複数予想されているようです。ただ、昨年は韓国の韓江(ハン・ガン)さんが受賞されていて、次のアジア圏からの「文学賞」はもう少し先なのではないかという予想もあるようです。今回日本人の受賞が決まった「生理学・医学賞」「化学賞」は、その受賞内容の専門性が高いため、それ自身が小学生の学習(中学入試の出題)に直結することは多くないと思われますが、もし「文学賞」や「平和賞」を日本人が受賞すれば、中学入試にも影響してくると思っています。また、過去に日本人が受賞したことがない「経済学賞」の受賞も、個人的には期待しています。


以前、この時期のテレビのニュースで「ノーベル賞が発表される1週間。まさに『ノーベル賞ウィーク』ですね」と言っていたのですが、厳密にいうと少し違います。平和賞以外の授賞式が行われるスウェーデンの首都・ストックホルムでは、授賞式の行われる12月初旬の1週間が「ノーベル(賞)ウィーク」と呼ばれます。世界各国からたくさんの人が集まり、クリスマスとニューイヤー前の華やいだ1週間となります。授賞式はノーベルの命日である12月10日に行われます。授賞式や晩さん会、記念講演などの様子をテレビでご覧になられた方もいらっしゃることでしょう。実は、父の仕事の関係でストックホルム市庁舎のすぐそばに住んでいたことがあるので、授賞式の様子などがテレビで放映されるときは懐かしく見ています。


「日本人がノーベル賞を受賞した」というニュースに触れたときに、生徒たちに話をしたことがあります。「ノーベル賞というのは国際的なとてもすごい賞で、世界的な発明や発見や研究に対して贈られるものなのは知っているよね。先生が、これからノーベル賞を目指して研究したり、何かを発見したりすることはできないけれど、君たちにはまだまだ大きな可能性がある。将来、君たちの誰かがノーベル賞を受賞してテレビで紹介されるのが、先生の夢だな」


今目の前にいる生徒たちが、将来大きく羽ばたいて、日本だけではなく世界的にも活躍してくれる、そんな夢を抱きながら、今日も授業をしています。

同じテーマの最新記事

2025.10.10 『「制御性T細胞」と「金属有機構造体」』
2025.10.08 『入試過去問の使い方』
2025.10.03 『親の関わり方 ~「はげます」の重要性~』
2025.10.01 『助詞の使い方を意識する』
2025.09.26 『ことわざの語源』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー