四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『こうなりたいリスト』

2025.11.19

毎月の初めに(月末の場合も多いのですが)、その月にやることを「30個」書き出すということを習慣にしています。「やらなければならないこと」「やるべきこと」だけではなく、「やっておいた方がよいこと」「できればやりたいこと」までを考えながら、30個(もしくはそれ以上)を書き出すという作業です。約1時間程度かかるのですが、この作業をすることで、頭の中が整理できていると考えています。このリストをもとにして、週単位や日ごとの「タスクリスト」を考えて動いています。


このリストを作るポイントは、「必ず30個の項目を考える」という点にあります。「今月やるべきこと」と考えると、10~20個くらいの項目はすぐに出てくるのですが、そこから先はなかなか思いつきません。すぐに思いつく項目は、どちらかというと「近視眼的」なものが多くなります。また「やらなければならないこと」がほとんどです。しかし、残りの10個をいうなれば「ひねり出す」中で、視野が広がっていく印象があります。「今週から来週」というような短期的な視点ではなく、「来月以降」も見据えて考えていくようになります。また、考える範囲も「自分の仕事」だけではなく「校舎全体」のことも見えてきます。場合によっては「仕事」だけではなく、「プライベート」のことも含めて思いついてきます。そして「やっておいた方がよいこと」が出てくるのです。たとえば、「最近連絡をさしあげていない生徒のご家庭への電話」といった内容がここで出てくるようなイメージです。担当クラスの一人ひとりの生徒の顔を思い出しながら、「そういえば○○君は、ここにきて少し成長してきている感じがするから、お伝えする電話をしておこう」ということに思い至るわけです。そして「〇〇君へ電話」というリストが書き加えられます。


さて、この手法は小学生にも応用ができると考えています。ただ、「やるべきことリスト」「タスクリスト」というのは小学生にはあまり適さないでしょう。よくお勧めする「学習計画表」は宿題を一週間のスケジュールに落とし込む、いわゆる「タスクスケジュール管理」というイメージではありますが。


私が小学生の皆様にお勧めしているのは、「Wish list」というようなものです。それも一か月という単位ではなく、年間単位での「こうなりたい・こうありたい」というリストの作成です。お正月や新年度のスタートなどに、今年は「こんな風に過ごしたい」「この目標を達成したい」ということをお子様自身に考えてもらうわけです。勉強や学習に対するものだけではなく、習い事や学校生活、家庭での習慣なども含めて幅広く考えるようにさせてあげてください。「朝は起こされなくても起きる」「友達をたくさんつくる」といったところからでかまわないわけです。


そして学年によって異なりますが、やはり「思いつくだけあげる」ではなく、項目数を初めに決めてから考えさせるようにすることで、視野視点が広がっていくはずです。小1・小2生くらいであれば5つ程度でもよいかもしれません。小3生以上になると10個は考えることができるでしょう。


塾での学習で考えると「クラスを上げる」という項目がすぐに思いつくはずです。もちろんいま最上位クラスにいらっしゃるのであれば「クラスを維持する」というものになるでしょう。そして、実はこの「wish」が「なにをやるか」につながっていくはずです。「クラスを上げる」→「成績を上げる」→「苦手な算数を克服する」→「計算ミスをなくす」→「計算の宿題をきちんと丁寧にやる」という流れで考えていくわけです。ここの部分は保護者の皆様もご一緒に進めていただくのがよいと思います。


今年もあと二か月です。年末には「今年できたこと・やれたこと」を振り返って、新年には「今年はこうなりたい」という抱負を考えていただくのはいかがでしょうか。

同じテーマの最新記事

2025.11.19 『こうなりたいリスト』
2025.11.14 『入試を成長機会と考える』
2025.11.12 『算数に必要な読解力』
2025.10.31 『テスト成績の見方 ~全国統一小学生テストに向けて~』
2025.10.29 『天高く馬肥ゆる秋』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー