四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『宿題ができなくて癇癪を起こす』

2023.04.12

早稲田アカデミーでは、2月から新学年の授業がスタートして二カ月半が経過しました。小学校でも4月から学年があがり、一週間の学習スケジュールも固まりつつあるころだと思います。一方で、学習内容は少しずつ難度が上がっていますので、一つひとつの家庭学習にかかる時間は増えていると思います。また、前の学年の宿題よりも「バツ」がつく割合が増えているのではないでしょうか。


毎年小3・小4の保護者の皆様から、この時期にいただくご相談に「宿題が終わったところで私がマルつけをしてバツがつくととたんに機嫌が悪くなる」というものがあります。バツがたくさんつくと、勉強に対するやる気がなくなって、宿題を途中で放り出したり、塾にも行きたくないと言い始めたりするということもあると思います。
 
小学校低学年~中学年のお子様は、もともと「ほめられたい」という気持ちが強いものですから、宿題などは「完璧」に仕上げることを目指します。精神的にはまだまだ未熟ですし、経験も少ないので、(よい意味での)妥協ということができないのです。さらに、中学受験を目指して塾に通い始めたお子様ならば、学校では標準以上の成績の方が多いはずですので、「宿題ができない」「たくさんバツをつけられた」というような経験はあまりしたことがないのでしょう。そう考えれば、「できなかった問題がたくさんあった」という事実は、お子様にとって(大人の想像以上に)ショックなもののはずです。感情を抑えることがまだまだできず、さらに「甘え」が残っている年代のお子様が「宿題ができないことで癇癪を起こす」というのは、ある意味当たり前のことだと思います。
 
では、そういった場面で親はどうすればよいのでしょうか。難しい問題を解かせてできないと機嫌が悪くなるのですから、簡単な問題だけを解かせるようにすればよいのでしょうか。中学受験を目指すという視点で考えてももちろん論外ですが、そうではなかったとしても「できる問題」だけを与えていくのは、お子様の成長にとってよくないことなのは、何となくお分かりいただけるのではないでしょうか。


次に、親が「手取り足取り」リードをして失敗しないように導く、という方法があります。「問題を解く」ということで考えれば、わからない問題の「解き方を教える」ということになります。教えるということ自体が悪いわけではないのですが、一からすべてを教えてしまうと、結果、お子様は自分で考えることをせずに、「わかったつもり」になってしまうことにもなりかねません。自分で考えて失敗することで、次には同じ失敗を繰り返さないようになっていくのは、「学習」ということの本質の一つだと私はとらえています。


高校・大学と学ぶべきことのレベルが上がっていけば、さらには社会に出ると「正解」が用意されていない問題や課題が多くなっていきます。そういった問題は、当たり前ですが正解まで導いてくれる存在はいませんし、一回で正解まで行き着けるようなものではないはずです。たくさんの失敗を繰り返しながら、多くの試行錯誤を積み重ねて、大きな問題を乗り越えていく……。そのための土台をつくるために、高いハードルにどんどんトライしていってもらいたいと考えています。


結論を申し上げれば、「お子様をはげましながら見守る」という方法が、一番だと思っています。塾で学んでいることはレベルが高く、簡単にこなせるものではないことを、お子様自身が(保護者の皆様も)しっかりと理解するところからがスタートになるでしょう。簡単に「マル」がつくものではなく、しっかりとがんばっても「バツ」がついてしまうことがあるという点を理解し、「マル」にするために、さらにがんばって解きなおす……そこで「マル」がつけば、それは一つの成功体験となり、学習の階段を一段上ることにつながるのだとお考えください。

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