四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『小学生の学習方法』

2025.05.16

今から30数年前、初めて早稲田アカデミーの教壇に立ったときのことを、たまに思い出します。高校受験へ向けた中学生の授業はなんとかなったのですが、小学生の授業はとても難しく感じました。問題が難しかったわけではありません。どのように教えればわかってもらえるのか、宿題はどれくらいの量を出せばできるのか、といったことがなかなかつかめず苦戦しました。


現在の早稲田アカデミーは「研修制度」が充実しています。教壇に立つ前に、研修を通して早稲田アカデミーの授業品質をしっかりとご提供できるように育成しています。しかし、私が新人だった当時はベテランの先生に聞くくらいしか方法はありませんでした。


実は、私自身にも中学受験のための勉強をした経験がありました。四谷大塚の「予習シリーズ」を使って、当時は日曜日に行われていた四谷大塚の「日曜テスト」も受験していました。ただ、そのときのことを思い出そうとしても、断片的な記憶しか残っていません。テストで頭を悩ました問題のいくつかは今でも鮮明に覚えているのですが、毎日どんなふうに勉強していたかなどは、ほとんど頭に残っていません。「勉強の仕方」という点で覚えているのは、中学生になってからのことや大学受験の時期のことです。


講師として実際に生徒の前に立ってみると、精神的にある程度成長した中学生と、まだ成長過程にある小学生では、勉強の方法そのものが違うことを痛感しました。ある部分では正反対といってもよいほどの違いがあるように感じたのです。そこから、「小学生にとって一番効果的な学習」について考えるようになりました。自分自身の大学入試などの経験はほぼ役に立たず、生徒たちと毎日接するなかで、彼らから教えてもらったことがほとんどのように思います。


さらに、私が受験勉強をしていた時代と今とでは、入試問題の傾向も大きく変わってきています。別の記事に詳しく書かせていただいたことがありますが、「やり方を覚えて、それを使いこなせる」ようになれば問題が解けた時代から、「土台となる知識をもとに、自ら考えて解き切る」ことが必要になってきています。それに伴って、進学塾の授業も「知識を教え込む」という方向から、「自分で考える力を引き出す」という方向に大きく変わってきています。そういった点でも、自身の学習経験をもとにした指導ではいけないと気付かされました。


保護者の皆様はいかがでしょうか。ご自身が小学生のときの学習の仕方や、難しい問題に取り組んだときの気持ちを覚えていらっしゃるでしょうか。お子様にアドバイスをしている学習方法が、ご自身が成長してから(中学生や高校生になってから)のものだった……ということはないでしょうか。もちろん、それが効果的な場合もありますが、小学生としての精神的な成長段階を踏まえていないとうまくいかない場合もあることを、知っておいていただければと思います。もしご心配な点がございましたら、早稲田アカデミーの担当講師までご相談ください。

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