『昭和100年 ~夏の自由研究テーマを考える~』
2025.07.09
6月上旬に長嶋茂雄氏の訃報が飛び込んできました。昭和世代の私にとっては、やはりヒーローでした。残念ながら現役時代の記憶はほとんどありません。私にとっては「長嶋監督」という印象なのですが、やはりなんとなく特別な存在だったように記憶しています。昭和時代、銭湯の下駄箱は必ず「3番」から埋まっていったという話を聞いたこともあるのですが、それだけ日本中の国民からリスペクトされていた人なのだと思います。
今年は「昭和100年」です。いろいろなところで話題になっていますので、ご存じの方が多いと思いますが、昭和という年号が続いていたら、今年で100年を迎えるという意味になります。この記事を書くにあたって、あらためて歴史のテキストで「昭和」を復習してみたのですが、やはり「激動の時代」だったのだと思います。「世界恐慌」から「満州事変」、そして「日中戦争」という戦争前夜の10数年間。そこからの「第二次世界大戦」……。今年は「戦後80年」も大きな話題になっています。
「戦後」になると、時代はどんどんと進んでいきます。「連合国軍の占領」から「民主化と日本国憲法の成立」を経て、国際的な立ち位置も大きく変化していきます。また、経済面でも「戦後の復興」から「高度経済成長」があり、世界における日本の位置付けが大きく変わってきたことを象徴する大きな二つのイベント「東京オリンピック(1964年)」「大阪万博(1970年)」も開催されました。そこから先の世界、日本社会の変化は、申し上げるまでもないでしょう。
江戸時代は、1603年の江戸幕府の開府から1867年の大政奉還まで、約260年間続いています。つまり「江戸時代」は、現時点で「昭和時代」の2.6倍の期間であったわけです。しかし、「江戸時代」の社会情勢や文化的な進歩・進化などは、「昭和時代」よりもかなりゆっくりだったと思っています。鎖国の影響もあると思いますが、昭和以降の100年間の変化と比べるとイメージできるのではないでしょうか。
私の小学生時代には「夢のような未来」として想像されていたものが、今は現実になり、当たり前のものになっています。例えば「1人1台の手のひらサイズテレビ」はスマートフォンで現実になりました。ドラえもんがお腹のポケットから出してくれる道具は、子どもたちにとって夢のようなものでしたが、そのうちのいくつかはスマートフォンによって現実のものとなりましたし、ドローンの開発などによってこの先現実化されそうなものもいくつかあります。人気の高い「タケコプター」「どこでもドア」「タイムマシン」は、まだもう少し先になりそうですが……。
小学校の「夏の宿題」として定番の一つであった「自由研究」ですが、最近は課されない学校も増えてきているようです。ただ、もし出されるのであれば、「せっかくだからしっかりと取り組んで、いろいろと考えながら、楽しみながらやるように」と私は生徒たちに話をしています。
「昭和100年」は今年の「自由研究」の人気テーマになりそうな気がしています。「昭和史」をしっかりと振り返りながら、おじいさんやおばあさんにも話を聞いて、お父さんやお母さんが小学生だったときのことも調べながら、年表や資料としてまとめていく……。そんな「研究」は楽しそうだなと思っています。「戦後80年」を選ぶお子様もいらっしゃるでしょう。特に、2024年は「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」がノーベル平和賞を受賞しましたし、国際情勢的には「ウクライナとロシアの戦争」「イランの核施設攻撃」などの事案もありますから、考えるきっかけはたくさんあると思います。
また、直近の話題として、「お米」について調べる方も多くなるのではないでしょうか。「日本のお米の生産地」といった定番のものから、「インディカ米の美味しい食べ方」といったちょっと面白いものまで、いろいろなテーマが考えられそうです。
ここ数年、一番多く取り上げられているテーマが「気象・天候」といったものです。「異常気象」「夏の猛暑」「ゲリラ豪雨」といった言葉がテレビでも多く取り上げられていますし、実際に毎日の生活のなかで実感しているものですので、考えやすいと思います。今年も6月の暑さが大きな話題になりました。「東京では13日間の真夏日、過去最多」というニュースが流れていました。また、「梅雨らしい雨が降らず、降ってもゲリラ雷雨」というのも、「昭和」のころと比べると大きく変わったところではないでしょうか。「夕立」という言葉は知っていても、経験したことがない小学生が増えていきそうな気もしています。
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