四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『米』

2025.06.27

だいぶ気が早いのですが、毎年12月に発表される「今年の漢字」を予測してみました。今年もまだ半年残っているのですが、現時点の私の予測は「米」です。小泉農林水産大臣が就任時に「コメ担当大臣」と発言していたくらいですし、米の価格の高騰、備蓄米の放出など「お米」関連のニュースが連日報道されています。先日、「古古米・古古古米」なども美味しく食べられる「高級炊飯器」が人気になっているという報道を見ました。どんなお米でもその状態に合わせて美味しく炊けるものだそうです。また、個人の好みを入力するとAIがそれに合わせて水の量から炊飯温度までを調節してくれる最高級炊飯器も紹介されていました。やはり、日本人は「お米」が本当に好きなのだな、と思って見ていました。


もう一つ、今年の漢字に「米」を選ぶ理由があるのもおわかりだと思います。トランプ大統領が就任してから、全世界的にアメリカ(米国)がいろいろと話題になっています。関税の問題もそうですし、世界各地域での紛争でも……。たぶん、来年以降の入試でも「米」に関する出題が多くなるのではないでしょうか。


早稲田アカデミーの小学3年生の理科カリキュラムでは、4月の初回授業で「食卓にならぶ植物」、第2回では「食卓にならぶ動物」という単元を学びます。私が担当する場合、初回の授業は「カレーライスに入っている植物って、何があるかな?」という質問から始めています。生徒たちは「じゃがいも!」「にんじん!」「たまねぎ!」と元気よく答えてくれます。そこから「まだあるよね」と問い掛けると、生徒たちはいったん黙って、「カレールーかな……」「スパイスって植物?」と考えを深めていきます。「もう一つ、必ず入っている植物だよ」と話してさらに考えさせます。「先生、ヒント!」「何色?」というような声があがり、「色はねぇ……白!」と言ったところで、「わかった!」という声が出てきました。もちろん、答えは「お米、植物の名前としては『稲』」という話に続けていきます。


塾で学ぶ「理科」「社会」という科目が、実は自分の身近にあることにつながっているんだ、と意識させることは、とても大切だと思っています。そのために、毎日の生活のなかで一番身近にある「食」からカリキュラムがスタートするわけです。社会でも「米」に関する学習が出てきます。小学4年生では「稲作」について学習し、5年生以降になると「日本における米の生産地」や「世界三大穀物」などについても触れていきます。


このブログでは、6月から7月の記事で「夏の自由研究」のテーマについて、ご紹介しています。今年の夏は「お米」について研究する小学生が増えるのではないでしょうか。日本人の「主食」であるお米ですから、研究テーマはいくつもありそうです。今回、話題となっている「政府備蓄米」の制度についてや、備蓄米制度が始まるきっかけとなった「平成の米騒動」、さらには1993年の「冷夏による米の大凶作」といった歴史的背景も調べてみるとおもしろいかもしれません。1993年のことは覚えている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。私も「タイ米」として輸入されたお米(インディカ米)を食べたときに、「これは本当にお米なのか」という衝撃を受けた記憶があります。テレビでも「輸入米の美味しい食べ方」などといった特集がされていて、そもそも品種が大きく違うのだから日本製の炊飯器には合わないという話を見て、変に納得していた覚えがあります。


ご家庭でも、お食事の時間にはお子様との会話が多くなされるのではないでしょうか。お料理や食材についていろいろとお話しいただくのも、興味を広げるという点ではよいことだと思います。最近では、インディカ米を使った料理などもスーパーで売られているようです。そんなところから「米」の話題につなげていただくのもよいでしょう。


以前、「食材の原産地」に強い興味を持って、夏休みの自由研究のテーマとして選んだ生徒がいました。原産地を調べる過程で日本の地理にも強くなり、また気候などに関しても勉強できたようです。

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