四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『暑熱順化と朝学習』

2025.07.11

「6月の日本の平均気温が過去最高を記録した」という報道がありました。ニュースでは連日「真夏を先取りしたような暑さが続き……」と伝えられていますが、今年の夏は例年よりさらに暑くなるのではないか、と不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。


この暑さで体調を崩している方もいらっしゃいそうです。かく言う私も、先日熱いなかを歩いたあとで電車に乗ったら冷房が強くて急に気分が悪くなり、数駅過ぎたところで下車して、ホームのベンチで休んだことがありました。体調を崩してしまっています。皆様も、お体にはどうぞお気をつけください。


「暑熱順化」という言葉をご存じでしょうか。体を暑さに慣れさせるという意味で、熱中症対策ではよく使われる言葉です。体が暑さに慣れてくれば、体内の熱を逃がしやすくなる、という仕組みのようです。日本気象協会の「熱中症対策」ホームページにも詳しく出ていますので、興味のある方はぜひご覧ください。調べてみると「体が暑さに慣れるまでには、人によって数日から2週間程度かかる」となっていました。今年のように、急に真夏の暑さになってしまうと、暑熱順化ができていないために、体調を崩すことが多いようです。さらに、暑さに慣れていないため、つい冷房を強めにかけてしまい、その気温差によって体調を崩すケースも多いとなっていました。学習効果を高めるだけではなく、充実した「夏」を過ごすためにも、この時期からの体調管理は大切だと思います。ご家庭でもご留意いただければと思います。


「夏の学習」というと、私が子どものころは「朝の涼しい時間に……」という話がありました。しかし、最近は「朝から暑い」というのが本音でしょう。とはいえ、やはり私は「夏休みの朝学習」をお勧めしています。


人間の脳の働きが100%になるまでには目覚めてから3時間程度かかる、と聞いたことがあります。その点から、小6受験生には「受験直前期は朝型の生活にするように」とよく話すのですが、小学3~4年生にも「朝学習」をお勧めすることがあります。朝に学習する習慣をつけておくと、5年生からの本格的な受験学習時期への移行がスムーズになります。5年生以上になると、宿題を進めるための計画、時間配分が重要になってきます。国語の文章読解や算数の応用問題など高いレベルの思考力を要するものは、夜にじっくり腰を落ち着けてやることも必要ですが、漢字学習や計算など短時間のトレーニング的なものは、朝の「すきま」の時間などに終わらせてしまうことができれば、学習密度を向上させることができます。


もちろん、お子様のタイプによっても、いつ学習するのが効果的か、は変わってきます。「朝が弱い」というタイプであれば、無理やり朝の学習を取り入れる必要はありません。ただ、「朝、決められた時間に自分で起きる」ことは、単に学習面での効果だけではなく、精神的成長過程の一つの指針となる場合もあります。


今「朝学習」を行っていなくて、取り入れてみようとお考えであれば、突然「明日から」というのは少し無理があるでしょう。4月に学校の新学期を迎えて、やっと落ち着き始めた生活リズムが乱れてしまう可能性もあります。その場合、夏休みに入るタイミングがよいきっかけになるのではないでしょうか。「夏休みのラジオ体操」ではありませんが、生活リズムが変わる夏期講習会のタイミングから取り入れてみるのもよいと思います。また、午前中に夏期講習会の授業がある場合は、授業に集中するためにも「起きてから3時間経っている」ことが必要になるのは、前述したとおりです。よろしければお試しください。

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