四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『ベストパフォーマンスを発揮する』

2025.06.25

「ベストパフォーマンス」という言葉を耳にすることがあります。正確な英語というよりも、和製英語的な使われ方のような感じもするのですが、「ベストパフォーマンスを発揮する」というような表現でよく使われているようです。私も早稲田アカデミーの職員に対して、「授業では毎回『ベストパフォーマンス』が出せるように意識して準備し、臨みなさい」というような研修を行うことがあります。


小学生のお子様が、学習に対して「ベストパフォーマンス」を発揮するのは、どのようなタイミングでしょうか。もちろんすべての学習機会において、最高の集中力や気合いで臨むに越したことはないのですが、それはなかなか難しいでしょう。早稲田アカデミーの授業は「私語のない緊張感のある授業」を実践し(とは言ってもシーンと静まり返った状態というのではなく、集中して生徒全員が頭を回転させられる状態をつくり)、講師の講義や問題演習に集中して取り組ませています。一方で、家庭学習において同じレベルでの「集中力」を望むのは小学生のお子様にとっては難しいことでしょう。しかし、小学生が授業以上に集中力を発揮する場面があります。それはテストの問題に向かっているときです。


私は小学1年生から6年生までスイミングクラブに通っていました。当時は今ほどスイミングクラブが多くなかったこともあり、私でもかなり上位の成績を残すことができました。小学生としては身体が大きかったこともあり、同年代の生徒と比較してよい成績で、九州で行われた全国大会に出場させていただいたこともあります。


毎週、月曜日から金曜日まで夕方にプールで泳ぎ、毎回タイムを計測していました。しかし、自己最高記録を更新するのは、日曜日に行われる「記録会」だったのを覚えています。練習でも決して手を抜いていたつもりはないのですが、ベストタイムを出すことはできませんでした。そして、一度「記録会」で記録を塗り替えると、不思議なもので、次の練習からは「それまでのベスト」は軽々と超えられるようになるのです。「ベストパフォーマンス」を発揮することで、それまでできなかったことができるようになる。その時点でそこまでの「壁」を乗り越える、そんなイメージでしょうか。


お子様の学習に置き換えてみます。授業で習った内容は「わかったつもり」で帰宅するはずです。しかし、ご家庭で宿題を進めはじめると、易しい問題はできても、難しい問題になると「わかってはいるけれど自分では解き切れない」という状態になることがあるはずです。その壁を乗り越えるのは、テストで真剣に問題に取り組んでいるときなのです。「テストになったからといって、今までできなかった問題ができるようになるはずはない」というのも、一方では正しいと思います。特に高校生以上の場合はそうでしょう。しかし、精神的な成長の途上にある小学生の場合、気持ちのムラもあれば甘え(依存心)も残っています。その気持ちも含めてベストな状態でテストに臨むことができれば、それまでできなかった問題ができる瞬間があるはずです。その瞬間がお子様を一歩成長させる、そんなふうにお考えください。

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