四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『本との出会い』

2025.07.16

早稲田アカデミーでは、7/21(月祝)から夏期講習会期間に入ります。各校舎、各担当講師はそれぞれのクラスの授業が充実したものになるように、準備を進めている真っ最中です。今回は「夏」に国語力を上げるというテーマで書かせていただきます。
 
保護者の皆様の中にも、夏休みにたくさんの本を読んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。小学校でも「読書感想文」などが宿題に出されることもあり、夏には「読書」とお考えの方も多くいらっしゃることでしょう。私も小学生から大学生まで、夏になるとけっこう本を読んでいた記憶があります。中学生くらいのときには、近所の図書館に夏休みになるとよく行っていました。エアコンが効いていて涼しかったせいもあると思いますが。早稲田アカデミーにお通いの皆様も、できれば夏に「本を読む経験」をしていただければと思います。「この夏の一冊」のような本に出会えれば、それはとても幸せなことだとも思うのです。


一方で、読書があまり好きではないお子様の場合、「夏になったから本を読みなさい」と言ってもなかなかうまくはいかないものです。学校で「読書感想文」が宿題として出されたから、と図書館に行って本を借りてはきたものの、結局表紙も開かないまま返しに行く、ということもあるでしょう。そういったお子様にむけて、私は「一学期中のテキスト(予習シリーズなど)の文章を読む」という課題を出すことがあります。保護者会などでもよくお話ししているのですが、国語力を高めるためには、文章を読んで文章内容を理解することが、まず必要です。読書が得意(好き)ではないお子様の場合、もしくは国語という科目を苦手にしているお子様の場合、文章を読んでもその内容がしっかりと頭の中に入っていないことが多くあるはずです。テキストの文章も、問題を解くためにただ目を通しただけで、本当の意味での「読む」という状態にはなっていないことが多いようです。


各学年のテキストに出ている文章は、その学年よりも上の年代を対象としたものがほとんどです。たとえば小3のテキストであれば、普通は小4~小6(場合によっては中学生)レベルの文章が出題されているわけです。まだそのレベルの文章に慣れていない状態で読んだとしても、なかなか1回では理解できないケースも多いはずです。ただ、ある程度そのレベルの文章に慣れてくれば、さらに最初読んだときよりも精神的に成長してきていれば、次に読んだときには理解できる部分も多くあるはずです。「一学期中のテキストを読み直す」という課題指示は、上記のような効果を狙ってのことです。初めて読んだときには気が付かなかった内容を、あらためて読み直し理解することで、読解力向上の効果が見込めるはずです。


このときに注意をしていただきたいのは、「読む」ことを目的として行うので、「解く」ことは必要がないという点です。「せっかく読むんだから、もう一回問題も解きなさい」と仰りたいお気持ちもわかりますが、そうすると「解くために読む(目を通す)」という作業になってしまい、お子様の中で「読んで理解する」という気持ちが薄れてしまうことにもなってしまいます。
 
そして、テキストの中で読んだ文章に興味を持ち、その続きを読みたくなってくれれば、さらに進めていくことができるはずです。お子様が、図書館でも本屋さんでもその本を見つけて、興味を持って読み進めてくれれば、読書を楽しむ一歩になることでしょう。

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