
『熱狂と感動と』
2026.06.24
先日の日曜日の夕方、街には「日本代表」がたくさんいました。ホームゲーム用のブルーのユニフォームだけではなく、アウェイ用の白のユニフォームを着用した方も多くいらっしゃいました。ワールドカップをテレビで観戦した後で、街に出てきたというところなのだと思います。皆さんもご覧になったでしょうか。
スポーツを観戦するのは、好きな方です。今回のワールドカップも日本代表の試合はなるべくリアルタイムで見たいと思っています。私が早稲田アカデミーで働き始めたころの日本代表は、「ワールドカップ予選」を突破できるかどうかが話題になっていました。授業時間中に最終予選の試合が行われた日には、録画をしておいて、帰ってから必死に見たことを覚えています。それが、今回出場している選手たちは「ワールドカップでの優勝を目指す」「最高の景色を」という合言葉で試合に臨んでいるわけですから、時代は大きく変わったなあと思ったりしています。でも、やはり日本代表がゴールを決めたときの喜びは変わらないのですが……。
今回のワールドカップでは、日本代表以外にもうひとつ、個人的に応援しているチームがあります。「キュラソー代表」なのですが、ご存じでしょうか。キュラソー島はカリブ海の島国で、以前はオランダ領であり、いまはオランダ王国の構成国になっています。今回がワールドカップ初出場なのですが、過去の出場国中で「人口が一番少ない」という点が話題になっています。人口が約15万人だそうで、この規模は埼玉県の久喜市や東京都の東村山市と同じレベルです。もともとオランダ領であったこともあり、オランダのサッカーで活躍している選手の中で、キュラソーにルーツを持つ選手が帰化しているケースが多いそうです。今回のワールドカップでは、グループリーグ初戦でドイツと対戦しました。最終的には「7対1」という得点でドイツが勝利するのですが、ドイツが先制したあとに、キュラソーが同点に追いつくゴールシーンがありました。そのときのキュラソーの観客席の熱狂ぶりがテレビで流れていました。「あのドイツからゴールを奪った!」というのもあるでしょうし、「ワールドカップ初出場の初戦での初ゴール」というのもあるのかもしれません。しかし、そんな理由などはどうでもいいと思うほどの、熱狂ぶりでした。第二戦では、エクアドルと対戦し、「0対0」の引き分けでした。この試合の終了時の観客席も、そして選手たちの「熱狂」も、言葉にできないほど、私は感動しました。
先日の記事で「AIに先生ができるか」という点について書かせていただきました。最近は新聞やテレビでも「AI時代に消滅する職業」などが、また取り上げられる機会が多くなっているようです。ワールドカップを見ながら、絶対になくならない職業に思い至りました。「スポーツ選手」です。人間の能力よりも、機械の力の方が高い領域は多くあるはずです。しかし、AIを搭載したロボットが競技で競いあっていても、人間の「選手」が競いあっているときほどの、「熱狂」や「感動」は生まれないのではないでしょうか。サッカーでも野球でも、オリンピックでも。
自分と同じ人間が、本気で真剣に競い合うからこそ、それを見ている人たちの「心は動く」のだと思うのです。言い換えれば、「人の気持ちを動かすことができるのは、やはり人」なのだと。単に「勉強を教えてもらう」だけなら、「わからない問題を説明してもらう」だけなら、AIでもできるような未来が、近々やってくるはずです。というよりも、すでにそういう時代になっています。しかし、「勉強に取り組む前向きな気持ち」を作るのは、やはり「ひと」でなければならないのではないかと思いました。日本代表のオランダ戦の2点目に追いつくゴールを見ていて、「あきらめない気持ちの大切さ」に気がついたお子様もいるのではないでしょうか。 新聞の記事で、なくならない仕事のひとつとして「情熱で背中を押すような仕事」という項目がありました。我々の仕事を指しているように思い、うれしくなりました。目の前の生徒の「成績を上げて」「志望校合格」のために、さらなる「情熱」を持って取り組んでいこうと、あらためて考えております。
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