四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の授業で「感動」する』

2023.07.21

本日(7月21日)から、早稲田アカデミーでは夏期講習会がスタートしました。全国を新型コロナウイルスが席巻していた2020年、一学期の「学校休校期間」の授業を補完するために、夏休みが短くなってしまいました。改めて調べてみたところ、首都圏の小学校では7月最終日まで学校の授業が行われていて、そこから8月中旬(8月16日)までの二週間ちょっとが「夏休み」という小学校が多かったようです。「16日間の夏休み」となってしまい、期間に関しては「冬休み」とほとんど同じという状況でした。


テレビ報道などを見ていると、新型コロナウイルス感染者は増えている状況のようですが、重症化される方の割合は減っているようです。また、5月に「5類感染症」に移行したこともあって、さまざまな「行動制限」などを気にしなくてよい「夏」ということになりそうです。お子様と一緒の「夏休み」をお考えの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。


「夏休み」はいつもとはちがった経験や体験ができる時期です。その経験や体験が「大きな心の動き」=「感動」となることで、一回り大きく成長する、そんなことを毎年私は考えています。


「感動」について考えてみます。
国語の授業で、詩や短歌・俳句を教えるときに、「感動の中心をとらえなさい」という教え方をすることがあります。きれいな風景を見て感動したときに写真を撮るのと同じように、大きな感動を体験し、その感動を残しておきたい、誰かに伝えたいと考えたときに、言葉を使って表現するのが、詩であり、短歌・俳句だと指導するわけです。そして、作者の感動の中心となっているものが何かを正確にとらえることができれば、きちんと読み取れたということになるわけです。


つまり、感動というのは、大きな心の動きと考えることができるわけです。きれいな景色を見れば「きれいだな」と思うわけですが、それがある一定以上の「大きさ」になれば、「感動」になります。「おいしい」「楽しい」「うれしい」という気持ちも、それが大きくなれば「感動」につながります。一方で、プラスの心情だけではなくマイナスの心情も、大きな意味では「感動」と考えることができます。斎藤茂吉の「赤光」という歌集に収録されている「死にたまふ母」というシリーズの短歌は、よく中学入試のテキストにも取り上げられているものですが、母親の死に面した「大きな悲しみ」が感動の中心となっているわけです。


「感動」という心的状態に至るためには、その前提や背景があると私は考えています。同じ景色を見ても、感動という状態までいくこともあれば、そこまでのレベルにはいかないこともあるでしょう。単に美しい景色を目の前にするだけではなく、言ってみれば「心の準備」のようなものが必要になるのではないでしょうか。旅行に行ったときに見た美しい光景であれば、普段とは違う環境であるという一種の「非日常感」、さらには家族とその美しさを共有できた喜び、そういったものが相まって大きな心の動きになっていくのでしょう。


小学生は学習や授業の中においても「感動」できるはずです。テスト中にとても難しいと感じていた問題があったとします。心の中で「こんなのどうやって解くんだ!?」とつぶやきながら悩んでいるような問題の解説を聞いたとき、一気に目の前が開けるような思いになることがあるはずです。言葉にしてしまえば、「すごい!」「なるほど!」「わかった!」というような表現になるのでしょうが、それはまさしく「感動」ということができるはずです。先生の解説を聞いて「ふーん」と思うか、「感動」を覚えるか、はどれだけその問題に真剣に取り組めたかで決まるように思うのです。難しい問題に直面したときに、「なんだ?この問題は!?見たことないぞ!」「でも絶対に解いてやる!」、そんな心的状態が一気に解決したときに「感動」につながるように思うのです。そしてその感動はお子様を大きく成長させるはずです。そんな感動を一つでも多くお子様に感じていただけるように、我々も万全の準備で「夏アカ」に臨んでまいります。

同じテーマの最新記事

2023.07.21 『夏の授業で「感動」する』
2023.07.19 『まずは「授業の受け方」を身に付ける』
2023.07.14 『心の中に種を植える』
2023.07.12 『18歳の未来を考える』
2023.07.07 『15年経って初めて気がついたこと』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー