四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『夏の刺激』

2025.07.25

早稲田アカデミー各校舎では、夏期講習会の真っただ中です。私も午前中から生徒たちと一緒に頑張っています。朝から日差しがきつく感じる日もありますが、「暑さ」に負けない「熱い」授業を……という気持ちで毎日取り組んでいます。


先日、ミャクミャクのTシャツを着て、授業を受けていた生徒がいました。「おっ、ミャクミャクだね。万博に行ってきたの?」と聞いたら、夏期講習会が始まる前の週末にご家族で行ってきたそうです。昨年は夏休み後半の授業で、お盆休み中に行ったインドネシアのTシャツを着てきてくれた生徒がいました。とてもうれしそうに旅行の話をしてくれました。生徒たちはいろいろなTシャツを着てきます。好きなスポーツチームのユニフォームを着てくる生徒もいれば、好きなキャラクターが描かれているものもあります。ちょっと面白いメッセージの入った「おもしろTシャツ」を着てくる生徒もいたりします。小6受験生が自習室に入っていくのを見掛けたので、ちょっと声をかけようと行ってみたところ、背中に「がんばれ言うな、がんばっとんねん!」というメッセージが書いてあり、声をかけられなかった覚えがあります。「明日から本気出す!」というメッセージを着ていた生徒に、「今日からにしようぜ!」という声をかけたこともありました。


実は私もTシャツが好きです。なんとなく毎年1枚は買っています。とはいっても、ほとんど着る機会はありません。買ったTシャツもその年には1~2度しか袖を通さず、タンスにしまわれ、いつのまにかパジャマになっていたりするのですが。


以前にも書かせていただいているのですが、今回は「精神面での成長を促すための刺激」というテーマを取り上げます。お子様の精神的成長を促すファクターとしては、「自覚・刺激・環境」の三つがよく挙げられます。置かれた環境下で刺激を受けることが自覚につながる、というイメージはおわかりいただけるのではないでしょうか。ちょうど夏休みが始まって一週間というところですので、今回は「刺激」というテーマで書かせていただきます。


お子様にとって一番大きな「刺激」となるのは、自分自身が経験したことがないものに触れることでしょう。私自身も経験があるのですが、「初めて」の場所に行ったときなどは大きな刺激となって、そこでの経験は強く記憶に残るものになるはずです。小学生のお子様にとっては、まだまだ経験していないことはたくさんあるはずですので、「初めて」の体験を意識していただくと「刺激」につながるのではないでしょうか。もちろん、「初めて」であればどこでどのような体験をしてもよいというわけではありません。お子様にとって効果的な体験や経験になるかは、お子様自身の成長段階によって左右されるように思います。


例えば、夏休みには映画を観に行く方も多いと思います。今まで映画館では「ドラえもん」や「ポケモン」などのアニメしか観ていなかったお子様が、初めて少し大人向けの映画を観ることになれば、それは刺激につながるでしょう。もしくは映画ではない「お芝居」や「ミュージカル」の舞台を初めて観れば、それも大きな刺激となるはずです。しかし、その映画や舞台の内容がお子様にとって難しすぎた場合、期待ほどの効果は得られないのはご理解いただけると思います。お子様にとって「初めて」の体験や経験を、ぜひこの夏に……と思うのですが、どのような体験を選ぶかは保護者の皆様の大きな役割だと考えています。


もう一つ、「人」からの刺激も大きな成長の要素です。今までに触れたことがない考え方に触れることができるという点で、いろいろな「人」との会話はお子様の成長にとって大きな効果があるはずです。例えば、お父様やお母様のご実家に帰省されたときの、自分とは住んでいる場所や年代が違う親戚などとの会話などからも「刺激」を受けることができるはずです。


人との触れ合いは「視野を広げる」ことにもつながります。私立中学や高校で実施されている海外への修学旅行なども、ただ観光名所を回るだけではなく、ホームステイやファームステイなどのように、現地の方と触れ合うことによって成長を促すために実施されているものなのです。海外からの留学生を積極的に受け入れている学校も、外国文化やその根底にある考え方などに触れることで、在校生が刺激され、さら視野を広げることを意図して実施されているものです。


私自身の経験でも、さまざまなバックボーンや考え方を持った方と触れ合うことは、自身の成長や意識の変化につながるように感じています。実は小学生・中学生という時代だけではなく大人になっても、「人から学ぶ」という意識を持つことは大切だとも思います。その根底にあるのは、やはり成長期の経験のようにも思うのです。


充実した「夏」にするために、また成長する「夏」にするために、さまざまな体験や、さまざまな人との触れ合いを、お子様に経験させてあげてください。

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