四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『スマホ?ケータイ?』

2025.05.09

実は、以前から「スマホ」という表記が気になっていました。細かいことばかりを気にしているようで、なんとなく恥ずかしいのですが、やはり国語を教えていると、言葉の表記や使い方については敏感になるところがあるようです。


英語表記では「Smartphone」です。カタカナ語でも「スマートフォン」と書かれることが多く、「スマートホン」と表記されることは少ないはずです。ただ、略称として使われるのは「スマホ」となっていて、「スマフォ」と書かれることは、まずないようです。


これは日本語の発音が影響しているのだろうと、個人的には思っています。表記上は「スマートフォン」と書かれていても、発音するときは「すまーとほん」になっていることが多いでしょう。そして略語となったときにはこの「音」から「スマホ」と書かれるようになったのだと思います。


「携帯電話」はどうでしょうか。たまに略語として「ケータイ」と表記されることがあります。実際の「音」としては「けーたい」と発音されることが多く、「けいたい」と二文字目の「い」の音をはっきりと出すことは少ないように思います。ただ、「ケータイ」と表記されることはそれほど多くありません。これは、「携帯」という漢字表記があるためなのだと思います。


以前、小6社会のテストで、環境問題についての設問がありました。正解は「ハイブリッドカー」だったのですが、この問題で誤答が非常に多くありました。もうおわかりだと思うのですが、一番多かった誤答は「ハイブリットカー」というものでした。本来は「ド」とならなければならないところが「ト」となってしまっていたのです。


日本語の場合、濁る音がきたなく聞こえてしまうと感じる場合、発音されるときには濁らずに発音することがあるそうです。特に促音(小さな「っ」)の後に「ド」となる場合には、「ト」となることが多くあります。英語の単語で考えると、「d」は「ド」と表記することがわかるのですが、聞こえた音をそのまま表記しようとすると、「ト」と表記してしまうことになります。たとえば「ベッド・ベット」や「ドッグ・ドック」も発音上は濁らない場合が多いようです。実際に皆様も発音してみてください。


以前、「アボガド」と「アボカド」について取り上げているテレビを見たことがあります。『AVOCADO』ですから濁らないのが正解だそうです。しかし、日本人の60%以上が「アボガド」と発音しているのだとか。これもやはり日本人の(もしくは日本語の)発音の仕方によるものだと思います。また、「バドミントン」「バトミントン」なども、お子様に聞いてみてもおもしろいかもしれません。


国語の授業のなかで、「言葉に対して興味を持ちましょう」という話をすることがあります。普段自分が使っている言葉や聞いている言葉に興味や関心を持つことで、国語力は上がっていくと考えています。別に「勉強」「学習」という意識を持たなくてもよいですし、逆に勉強や学習から離れたところで、ちょっと気になってみたりすることによって自然と国語力がついてくると私は思っています。今回ご紹介した「外来語の発音」のような、ちょっと面白く感じる話などをお子様としていただくことで、興味も高まってくるのではないでしょうか。


私は「スマホ」のことを、「ケータイ」と言ってしまうことがよくあります。若い職員がニヤニヤしながら「ガラケーじゃないですよね、スマホですよね」と言ってきたので、「うん、携帯端末だよ」と言っておきました。

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