四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『時間あたりの学習量を意識する』

2023.02.24

小6受験生には、「入試では、制限時間の中で合格点を取ることが必要である」という話をします。じっくりと時間をかけて考えれば、志望校の入試問題で合格ラインの得点をとるのはそれほど難しいことではないはずです。しかし入試である以上、必ず制限時間が設けられていて、いかにしてその時間内で自分の実力を最大限に発揮できるかという点が問われるわけです。受験直前期(小6の夏以降)になれば、入試問題の時間配分、取り組む問題の取捨選択、といった「入試問題を解くためのテクニック」的なものも身に付けていかなければなりません。ただ、非受験学年の間は、そういった考え方はあまり必要ではありません。それよりも「決められた時間の中で集中して問題に取り組む」という方向でお考えいただいた方がよいと思います。


「タイムトライアル」という言葉を使うことがあります。もともとはスポーツ(自転車競技)用語のようですが、時間を計測しながら行うトレーニング、もしくは制限時間を設けてトレーニングを行うこと、というような意味で使われているようです。


小学生の家庭学習においても、この「タイムトライアル」を行うことをおすすめすることがあります。上記のように、最終的なゴールとなる中学入試において、制限時間内で「自分にできる問題をやりきる」ことを考えて、「より効率的な方法を選択する」という視点を持たせるためにも効果的な学習方法です。


さらに、小5以上になれば、必然的に家庭学習で必要な学習量も増えてきます。一週間の中で、宿題をやりきるのが大変な場合もあるでしょう。そこで重要になってくるのが、「時間あたりの学習密度」です。私は小5の学習オリエンテーションで、次のような話をしています。


「昨日、Aくんは1時間勉強しました。Bくんはその倍の2時間勉強しました。どちらがエライでしょう?」
生徒たちは口をそろえて、「Bくん!」と答えます。そこで、次の質問です。
「では、1時間勉強したAくんと2時間勉強したBくん、終わった量が一緒だったら、どうかな?」
生徒たちは首を傾げはじめます。


そうなのです。同じ量の学習を行い、その成果が一緒ならば、短時間で行えた方がいいのです。時間は有限ですから、与えられた時間の中でどれだけの学習量をこなすことができるかは、特に受験学年になると、非常に重要なポイントになってきます。この「時間あたりの学習量」を増やすために、低学年の間に効率のよい学習を経験させることが必要なのです。


もちろん、「じっくりと取り組むべき」課題もありますので、すべての学習の時間を計ったり、制限時間を設けたりするのはおすすめできません。一方で、「毎日行う決められた課題」(早稲田アカデミーの小学4年生であれば「予習シリーズ計算」をイメージしてください)は、「タイムトライアル」的な考え方を利用するのは効果的です。初めから制限時間を設けるよりも、まずはかかった時間を記録するところから始めていただくのがよいでしょう。ページの右上に日付と「○○:○○~○○:○○」というように、始めた時間、終わった時間を書くところからがスタートです。それによってお子様自身も「今日はどれくらい時間がかかった」という意識が生まれてくるはずです。ある程度所要時間が定まってきたら、次は目標となる制限時間を設けるようにしていくと、お子様のやる気の向上につながるはずです。

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