四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『語彙力』

2022.02.25

ひと昔前の中学入試「でる順漢字」で上位にきていたものに「専門」があります。「専」の右上に「点」をつけてしまったり、「門」の中に「口」をつけてしまったり、という漢字そのもののミスが多い熟語なのですが、最近は以前ほど多くなくなりました(とは言っても毎年どこかの学校で出題されているのですが……)。


今年の難関中の漢字の問題を、いくつかご紹介しましょう。
開成中:「ヘイセイを装う(平静)」「ヤジウマ(野次馬)」「マンメンの笑み(満面)」「キンコツ隆々(筋骨)」
聖光学院中:「四十七人のチュウシン(忠臣)」「勝利シジョウ主義(至上)」「ケイセイが逆転する(形勢)」
「有名なケイショウ地(景勝)」「ユウシでお見舞いに(有志)」
豊島岡女子:「後々のフタンになる(負担)」「(イチゴが)テントウに出る(店頭)」「つけた値段で売れることはホショウされていない(保証)」


いかがでしょうか、思っていたよりも漢字としては「簡単」なのです。中学入試であっても、「難度」の高い漢字そのものは出題されないのです。文部科学省では、小学校で学ぶ漢字を学年ごとに定めた「学年別漢字配当表」を公開しています。原則として中学入試で出題される「漢字」はこの中にあるものからしか出題されていません。ご紹介した今年の漢字出題も、一つひとつの文字は受験生にとっては書けなければいけないレベルの「文字」ということになります。つまり、書けない漢字ではないけれど、その言葉を知っているかどうか、その言葉にはどの漢字を使うのが正しいのか、そういった点が問われているわけです。


私は一般的に「漢字」と言われている問題は、「言葉の知識=語彙力」を試している問題だと考えています。そう考えると、単に「知識として覚える」という学習だけでは物足りないはずです。「漢字の学習」というと、同じ文字を何回も「漢字練習帳」のマス目に書いていくという学習イメージがあります。「知らなかった文字をひとつ覚える」という目的のためには、それも必要な学習法かもしれません。しかし、中学入試を最終目標とした学習においては効果的な学習方法とはいえないのです。


早稲田アカデミーでも各学年で「漢字テスト」は行われています。授業で行われる「漢字テスト」へ向けて、新しく学ぶ漢字を一文字ずつ練習するというところから、家庭学習では行っていることでしょう。ただ、単に「漢字が書けるようになる」というだけではなく、その文字の意味やニュアンスを(何となくのイメージでも構わないので)理解し、その文字を使った熟語なども一緒に学習することが必要になってきます。


早稲田アカデミーでは小学校4年生から「漢字とことば」という教材を使います。そこには新しい漢字の「書き順」「音読み・訓読み」だけではなく、「会意・なりたち」「用例」などが記載されています。最終的な入試問題を考えると、大切なのは「用例」の部分になってきます。


中学入試本番で「漢字」の問題での失点はできる限り避けなければなりません。そのためには「語彙力」を高めることが必要だということをご理解ください。いままでの学習方法を見直すことが必要になるかもしれません。

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