四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『「焦り」や「不安」を感じたときに』

2022.04.08

この4月から新しく通塾を始められた方もいらっしゃると思いますし、新学年に進級して「不安」を感じている方もいらっしゃるでしょう。今回はそんな皆様に向けたアドバイスを。


塾と習い事の違いはなんでしょう。何かを学び身に付ける、という視点で考えれば両者に大きな違いはありません。お子様の立場に立って考えたときに、「楽しめる」かどうかという視点もあります。ただ、習い事でも「辛く」感じる瞬間はあるでしょうし、塾でも「楽しく」感じる瞬間はあります。特に小学校4年生くらいまでであれば、「ピアノやスイミングよりも塾の方が楽しい」というお子様も多いようです。体を鍛えるための習い事があるように、また、情操面を育てるための習い事があるように、塾は頭脳を鍛えるためのひとつの習い事としてとらえることもできます。


一方で、進学塾というカテゴリーで考えた場合には、そこには普通の習い事と大きな違いが存在しています。それは明確な目的を持って通う、という点です。もちろん、プロスポーツ選手や演奏家という大きな目的を持って、スポーツや楽器を始める方も中にはいらっしゃるでしょう。しかし、小学生の習い事の場合、それほど大きな目的をはじめから持っている方は少ないはずです。しかし、進学塾に通う場合は「中学受験」という大きな目的が存在しています。通っている方全員が目標となる学校を持ち、その学校の入学試験に合格するために学んでいるのです。


さて、大きな目標に向かって進んでいるときには「焦り」や「不安」が生じることがあります。その目標への思いが強ければ強いほど、その気持ちは強くなり、ときにはストレスと言われるレベルにまで大きくなることもあるかもしれません。目標と現在の自分とのギャップ、それを感じれば、そこには「不安」が生じます。目標までの長い道のりを想像すれば、そこには「焦り」が生まれるはずです。目標までの距離を着実に進んでいっていたとしても、入試へ向けた学習であれば順調に成績が伸びていたとしても、「焦り」や「不安」を完全に拭い去ることはできないものです。


習い事の場合、小学生がスイミングクラブの記録会で目指していたタイムに届かなかったとしても、それほど焦ることはないでしょう。しかし、オリンピックを目指している選手であれば、代表選考レースの直前には大きな「不安」を抱くことが想像できるはずです。中学受験のために学習している小学生を「かわいそう」とみる場合、このような「目標と現実のギャップ」とそこから生じる「焦り」「不安」を10歳から12歳くらいの段階で経験させることに対しての場合が多いように思います。しかし、その経験は中学入試合格という結果だけにとどまらず、その先の将来へ向けてもお子様を大きく成長させるもののはずです。


「焦り」や「不安」を感じるのはお子様だけではないでしょう。ときには、保護者の皆様の方がそれを強く感じることがあるはずです。大人はそれまでのご自身の経験から、入試という最終的な目標をより大きなものとして感じることがあります。また、入試までの日数も、そこまででできることが逆算できる分だけ、お子様よりも短く感じてしまう場合もあるはずです。


一方で、入試に関しては「知識」として研究することはできても、実感としてそれをとらえることはなかなか難しいものです。入試問題を見ても、いまの(小3・小4時点の)お子様の状況から、そこまでたどり着く道筋は見えてこないでしょう。逆に、道筋のあまりの「遠さ」に「不安」を感じてしまうこともあるはずです。ご兄弟で入試を経験されていれば、ある程度はつかめると思いますが、それでも「いまの状態から最終的なゴールまで、本当にたどりけるのか」という気持ちは常につきまとうものだと思います。


そういった「焦り」「不安」は塾の講師にご相談いただくのが、一番よい方法です。相談というよりも、気持ちをぶつけていただくという表現の方が適切かもしれません。我々は毎年多くの受験生を担当しておりますので、どのように進めていけばゴールまでたどり着くか、そのゴールに対していまどこまで近づいているのか、という点については理解して指導を進めています。保護者の皆様の「焦り」「不安」を完全になくすことは難しいですが、軽減することはできると考えています。

同じテーマの最新記事

2022.04.08 『「焦り」や「不安」を感じたときに』
2022.04.06 『考えるチカラにつながる雑談力』
2022.04.01 『桜満開!』
2022.03.30 『春 ~春期講習会から新学期へ~』
2022.03.25 『授業中の様子に注意しています』
資料請求はこちら
早稲田アカデミー