四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『テスト結果の活用法』

2022.06.17

先日実施された「全国統一小学生テスト」の結果帳票が返ってきました。塾生の方には来週の授業で返却されるはずです。また、小4以上の学年では先週末に行われた「公開組分けテスト(必修テスト)」の結果もWeb上で公開されています。さまざまなテストの結果が気になっている保護者の方も多いのではないでしょうか。今回はテスト結果を見る際のポイントについて、書かせていただきます。


まず、テスト結果で気になるのは偏差値でしょう。偏差値は、テストの難度が異なれば、出てくる数値も違ってきます。わかりやすく言えば、テストの平均点が偏差値50となります。その平均点からの乖離幅(厳密には少し違うのですが)がその生徒の偏差値として出てくると考えると、全体の平均点が高くなると(平均以上の成績をとることができる生徒の場合)偏差値は低くなるわけです。


以前、「国語の偏差値が急激に下がった」と不安になられたお母様からの相談を受けたことがあります。確かに偏差値だけを見ると、「72」から「65」に下がっていました。偏差値のポイントにして「7」下がるのは大きな変化ですから、不安を抱かれたのはよくわかります。ところが、実はその回のテストは非常に易しく(難度が低く)平均点が高かったのです。満点をとっても「68」という偏差値になっていました。得点が大きく下がっていたわけではありませんでしたので、学習定着度に問題があったのではないことを説明し、安心していただけました。


さらに、偏差値を考えるときに注意していただきたいのは、「母集団」です。「公開組分けテスト」は、原則として四谷大塚の予習シリーズカリキュラムで学習している生徒が母集団となりますが、「全国統一小学生テスト」は全国の生徒が母集団となるわけです。その母集団の平均点が「偏差値50」となるので、当然成績の見方も変わってくるわけです。


上記のように、偏差値はひとつの基準となる数字ではありますが、絶対的なものではありません。ではどのような点を見ればよいのでしょうか。


そのテストの結果を次の学習につなげていくためには、「正答率」を見ていただくことを、私はおすすめしています。どれくらいの割合の受験生が正答したかがわかるのが「正答率」です。設問ごとに正答率とお子様の答案を比較分析していくと、お子様の状況がよくわかってくるはずです。単純にどの単元内容の理解が不足しているかだけではなく、そのテストを受験したときの精神状態まで見えてくることもあります。普段はほとんどしないようなミスを連発しているときは、「集中して受験できていなかったのかな」といった感じです。


全体の得点や偏差値が持つ意味も、正答率に注目して分析をすると変わってきます。「正答率40%以上」の問題に全部マルがついていての偏差値60と、「正答率」が低い問題(30%以下)でも正解があるが、60%台の問題でミスをしての偏差値60では、その対処法も違ってきます。


正答率との比較をしてみると、テスト結果を評価するべきポイントも見えてくるようになります。「正答率が低い=難度が高い」問題ということになりますので、その問題にマルがついていればほめてあげてください。しかし、極端に正答率が低い(5%前後)問題の場合は、「正しく考えて正解にたどりついて『解けた』」というよりも、「何となく答えを書いたら『あたった』」というケースもあります。この場合は、手放しでほめてしまうと、お子様には納得がいかないことでしょう。「なんでもいいから書いてあたればいいんだ」というように考えてしまう危険性もあります。


テストの結果をどのように見ればよいか、さらにはその結果をどのように次につなげていけばよいか、といった点で迷うことがありましたら、ぜひ担当講師までご相談ください。

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