四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『関ケ原』

2022.08.03

夏期講習会で小5の授業を担当しています。先日の授業前のこと、教室に入ったら一人の生徒が「黒田官兵衛」という本を読んでいました。彼女は最近「戦国武将」に凝っていて、よくそういう本を読んでいるそうです。実は私も黒田官兵衛は好きな武将の一人で、そんな話で盛り上がりました。数年前(調べてみたところ2014年でした)に「軍師官兵衛」という題名で大河ドラマでも取り上げられていましたので、ご覧になった方もいらっしゃると思います。


小学5年生の社会カリキュラムでは、9月から「日本の歴史」の学習が始まります。昨年度までは6カ月間で日本史をすべて学ぶことになっていたのですが、今年の5年生からは1カ月程度延長になり、新しい単元が入ることになっています。中学受験では近現代史の出題割合が比較的高いのですが、数年前に「昭和時代」という単元がテキストに載り、今回はいよいよ「平成時代」という単元が組み入れられることになります。7カ月間で日本史をすべて学習するのですから、ある意味「厳しい」カリキュラムです。しかし、中学受験における歴史の出題は、高校受験や大学受験とは異なる部分がありますので、しっかりと学習をすれば定着できるようになっています。私が社会を担当するときは、細かい知識よりも全体像を把握させることに重点をおいて教えます。毎週「新しい時代」を学習していきますので、ともすればその週の知識(人名や年号)などを覚えていくことで精いっぱいになってしまって、大きな時代の流れの理解がおろそかになってしまうケースがあります。各時代の細かい知識はある程度覚えていても、「平安時代」と「鎌倉時代」の前後関係がわかっていない、というようなことがまれにあります。まずは、大きな流れを理解し、そこから細部へという学習が、特に歴史の基礎をつくる上では大切なことだと考えています。


私は「〇〇時代」という考え方を、下記のように分類して教えています。
飛鳥・奈良・平安 → 朝廷のあった場所が時代名になっている。
鎌倉・室町・安土桃山・江戸 → 幕府のあった場所が時代名になっている(安土桃山時代は例外)。
明治・大正・昭和・平成 → 元号が時代名になっている。
安土桃山時代は、幕府そのものがなかったわけですが、なぜそう呼ばれているか、ご存じでしょうか。「安土」は織田信長が居城としていた「安土城」(滋賀県)から、「桃山」は豊臣秀吉の居城であった「伏見城」が京都の桃山にあったことからついた名前となっています。


歴史の学習は、得意な時代があると、そこを起点にして学習が進む場合があります。小学生に、というよりも日本人全体のような気もしますが、人気のある時代は上記した「安土桃山時代」を中心とした「戦国時代」と、「幕末」ということになりそうです。小5クラスで聞いてみたところ、夏の自由研究で「織田信長」をテーマにするという生徒もいました。


今年の大河ドラマは「鎌倉時代」ですが、過去の作品一覧を見てみたところ、やはり「戦国時代」「幕末」が取り上げられている作品が多かったです。ちなみに、来年は「徳川家康」、再来年は「紫式部」が主人公のようです。


「関ケ原に行ってみたい」というお子様のリクエストがあったので、関西に帰省する途中で寄ってみることにした、というお話を以前うかがったことがあります。「関ケ原」という地名は日本人なら誰しも知っているのではないでしょうか。実は私は行ったことがありません。その方に行った後の感想を聞いてみたのですが、イメージとは少し違ったようです。合戦が行われた見晴らしのよい草原のようなイメージを持っていったら、住宅地や畑になっていたそうです。ただ、今は2020年に「関ケ原古戦場記念館」ができて、当時の様子が詳細にわかるようになっているとも聞きました。


「関ケ原」という地名だけではなく、その場所が実際にあって、そこに行ったことがあるという体験は、お子様にとって社会という科目に興味を持つ大きなきっかけとなったことでしょう。


早稲田アカデミー各校舎では、夏期講習会の前半日程が終了しました。8月4日からは夏期集中特訓がスタートします。ここから夏期講習会後半日程が始まる8月16日まで、各学年で過ごし方は違うはずです。今年しかできないことを大切にしていただき、充実した夏をお過ごしください。

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