四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『置き換えて考える』

2022.09.09

「0.24gで600円の品物があります。1gの値段を求めなさい。」


小学4年生の二学期初回(予習シリーズ下巻 第1回)授業単元「小数と分数」で出てくる問題です。保護者の皆様であれば、すぐに式が思い浮かぶはずですが、この問題で悩む小学生は意外に多いのです。そんなときには「整数に置き換えて考えてごらん」というアドバイスをします。
たとえば「2gで600円」であれば、1gの値段を求めるのに、「600÷2」という式がすぐに思いつくはずです。同じように考えれば……


600÷0.24=2500(円)


という式で解けることに気がつくはずです。小学3年生で学ぶ「わり算」の単元で、「割られる数」と「割る数」の考え方がきちんと定着していれば、出てくる数字が「分数」でも「小数」でも、どのような計算をすればよいかがわかるはずです。しかし、「分数・小数」が出てきた瞬間に難しく感じてしまう生徒が多くいます。


次の赤文字の「の」の中で、同じ用法のものを1組選びなさい。


「大きなバラ花がたくさん咲く庭ある家に住むが私夢だ」


小学5年生で学習する国語の文法単元で出てくる問題です。この問題も「置き換えて考える」という手法で解くことができます。


「大きなバラの花がたくさん咲く庭ある家に住むことが私の夢だ」


中学生の文法的な解説をすれば、助詞「の」には大きく分けて以下の3つの用法があります。
①連体修飾をつくる「の」→名詞+「の」+名詞
②主語をつくる「の」→「が」に置き換えられる
③準体言(体言の代わり)の「の」→「もの」「こと」に置き換えられる
「置き換えて考える」という思考法を使うことで、文法的に深い知識がなくても、正解にたどり着くことができる問題になっています。


難しく見える問題でも、自分の知っている知識や方法に「置き換えて考える」という思考方法は、中学受験の問題を解くときにも非常に有効ですが、さらにその先の未来でも活用できる方法のはずです。実は中学入試へ向けた学習を進めていく中で、身に付けてもらいたいのは、こういった「思考方法」の基盤なのです。算数で教わる「思考方法」、国語で使う「考え方」などは単元の枠を超えて、他科目の学習にもつながっていきます。
単に「解き方」を覚えるのではなく、難しく感じたときの「切り抜け方」=「考え方」を意識して身に付けるようにしていただきたいと思っています。

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