四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『学習姿勢と「子どもロコモ」』

2024.02.21

武蔵小杉校で小3から四年間担当した学年が卒業を迎えました。私の早稲田アカデミー歴のなかでも、同じ学年・クラス・科目を四年間継続して担当したのは、そんなに多いことではありません。毎週一緒に過ごしてきた彼らとの授業がなくなるのは寂しいですが、彼らの笑顔での門出を心から応援したいと思います。


担当していた学年が卒業を迎えたことで、新しく担当することになった学年やクラスがあります。先日から小学3年生のクラスを担当し始めました。新しいテキストを前にして、少し緊張気味の生徒たちに向けて、まず「授業を受ける姿勢、勉強する姿勢」についての話から授業を始めました。早稲田アカデミーでは小学3年生となったわけですが、まだ小学2年生の生徒たちですから、「勉強する姿勢」まで意識することはなかったと思います。「姿勢が悪いと、授業で教わったことがちゃんと頭に入らないんだよ」という話を真剣に聞いていました。単に「姿勢をよくしなさい」と指導するだけではなく、「なぜ姿勢をよくしなければならないのか」という点まで伝えることで、生徒たちは自分から「姿勢を正そう」と意識するようになっていきます。今回はそんな話をさせてください。


ご家庭で机に向かうとき、お子様はどんな姿勢でいらっしゃるでしょうか。左手で「ほおづえ」をつきながら、右手の鉛筆だけで問題を解いているようなことはありませんか。姿勢が悪いと、集中力も欠けてきて学習効率も悪くなるとよく言われます。実際に私が授業をしているときにも、「ほおづえ」をついていたり、壁に寄りかかっていたりする生徒は、発問への反応が悪かったり、大きな欠伸をしたりすることが多いように思います。姿勢が悪いと、脳への血流が悪くなり、脳が酸欠状態になるためだという話を聞いたことがあるのですが、専門的なことはよくわかりません。ただ経験上、まちがいなく学習姿勢と学習内容の定着度合いには関連性があると思います。


授業中の「ほおづえ」や壁によりかかるような姿勢については注意しますし、生徒たちも「よくない姿勢」だと理解できるので、すぐに直そうとします。ただ、最近気になっている「授業を受けるときの姿勢」があります。椅子に浅めに腰かけて、背中の高い位置(肩甲骨のあたり)を背もたれにあてているような姿勢です。お尻や腰ではなく、背中で体重を支えているような姿勢になってしまいますので、やはり集中できず、眠気がおそってくるようです。気がついたときには注意するようにしているのですが、その姿勢に慣れてしまっているのでしょうか、またズルズルと腰が前の方に出てきてしまうことが多いようです。


また、猫背もよくない姿勢です。問題を解くのに集中してくると、顔と机との距離が近づいてくるタイプのお子様もいらっしゃいますが、できる限り高い位置から教材やノートを見た方がよいと私は思っています。もちろん視力の問題もありますが、それ以上に「全体像を俯瞰する」という点からも、少し離れたところから問題を見る方がよいはずです。


早稲田アカデミーでは「私語のない緊張感のある授業」を行っています。「学習姿勢」について指導をするのも、その一環です。もちろん「常にピンと背筋を伸ばして」いるような状態を目指しているわけではありません。「緊張感のある」という状態と「緊張している」という状態は全く違います。生徒に対して「緊張している」ことを求めているわけでは決してありません。むしろ、その反対です。自然体で集中して授業に臨めるように指導しているわけです。ただ、やはりそのときの学習姿勢には、普段の学校での授業や家庭で机に向かうときの姿勢が、自然と出てきてしまうようです。


ご家庭で机に向かっているときのお子様のご様子を観察してください。はじめのうちは正しい姿勢が保てていても、時間が経つにつれて段々と悪くなってくるのはよくあることでしょう。その姿勢を見ていると学習に集中できているかどうかがよくわかるはずです。小4くらいまでであれば、姿勢が崩れてきたあたりが集中力の限界と考えて、ときにはそこで学習をストップしてもよいと思います。もし机に向かった瞬間から姿勢が崩れているようであれば、その点については指摘し矯正するようにした方がよいでしょう。


小5以上になってくると、集中力が欠けてきて姿勢が崩れても学習を継続しなければならないはずです。そのときには「ぐーっと伸びをしたり」「首や腕を回したり」という形で体を動かすことを生徒には勧めています。


学習面だけではなく、「姿勢」はもっと根幹の部分にも影響が出てくると考えています。先日、NHKのニュースで「子どもロコモ」という言葉を聞きました。「ロコモティブシンドローム」という言葉は、高齢者の運動機能の低下に使われると思っていたのですが、最近は子どもにも同様の症状が見受けられるという話題でした。その中で「姿勢」についても話がされていました。ご興味のある方はお調べいただければと思います。

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