四つ葉cafe 福田貴一 中学受験をお考えの小学生3・4年生のお子様をお持ちの保護者の方のためのブログ

『全国学力テスト』

2025.08.20

先月末に、「全国学力・学習状況調査」の結果が公表されたのをご存じの方もいらっしゃると思います。今回、話題になっていたことの一つが「中学生の理科のテストが『CBT』で実施される」ということでした。「CBT」は「Computer Based Testing」の略称で、コンピューターを使ってテストを受験するシステムのことです。全国の大学・医学部では既に導入されているものになります。「大学入学共通テスト」での導入も検討されていますが、そちらはまだ実現はされていません。


校舎に通ってきた中学3年生の生徒に、「理科の全国学力テストはどうだった?」と聞いてみました。「えっと、なんかコンピューターを使って……」、そんなふうに答えてくれたのですが、詳しく聞いてみると、アニメや動画を使った問題が出題されていたようです。将来的にはこのスタイルのテストがもっと増えてくるのではないかと思っています。


さて、平均正答率ですが、小学6年生では以下のようになっています。
国語67.0%(男子63.1%・女子70.9%)
算数58.2%(男子59.0%・女子57.3%)
理科57.3%(男子55.8%・女子58.8%)


ニュースでは過去の問題と比較した「平均正答率の上昇・下降」なども話題になっていますが、問題難度による部分もありますので、その点についてあまり議論しても仕方がないようにも思います。私が個人的に興味を持ったのは、国語では男女差が大きい点、一方で算数・理科では男女差がほとんどないという点です。しかし、同時に実施された「質問調査」では、算数・理科を「得意」と回答した割合は、女子の方が低かったという結果になっていたようです。


私が担当しているクラスにも、「算数は得意じゃない」という生徒がいます。そのなかには、国語と比較して算数・理科では点数が取れない……という生徒もいますが、「なんとなく苦手」と思っている生徒もいるように思います。他の生徒と比較して理解力が劣っているわけではないのに、一度「苦手意識」を持ってしまうと、少し難しいと思ってしまったときに、考えるのをやめてしまうことがあります。もう一歩「自分で」考えれば解ける問題でも、手が止まって、思考が止まって……。まずは、その苦手意識を解きほぐし、自分で振り払えるようサポートすることも、算数・理科を担当する講師の大切な仕事だと思っています。


また、保護者の皆様にご覧いただきたいのは、「国語」の問題です。20年前と比べると国語の問題は大きく変わってきています。「大学入学共通テスト」でも同様の傾向があるのですが、単に長文(物語文・説明文など)を読んで答えるという形式から、進化しています。今回の「全国学力テスト」の大問1は、「バスの運転士さんにインタビューをする」という内容から、「インタビュー前の話し合いの様子・話し合いの記録」を読ませて考えさせる問題でした。大問2は「伝統工芸品(手ぬぐい)のよさを推薦するちらしのつくり方について」の問題ですし、大問3は「言葉の変化」について三つの文章を読んで解く問題になっています。さらに大問3では文章だけではなく、「折れ線グラフ」を読み解かせる問題も出題されました。中学入試の問題と比較をすると難度は違いますが、「新傾向」問題として、こういった問題が出題される機会は増えていくと思いますので、よろしければご覧ください。

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